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最近気になるもの

どうもお久しぶりです。

最近は発展型赤外線誘導ペットボトルミサイルの制作に向け、使えそうなパーツを選んだりしています。
その中で色々と気になるアイテムを見つけたので、折角なので紹介しておこうかと思います。

ということで第一弾、アナログ・デバイセズの11軸慣性センサ、ADIS16488です。


アナログ・デバイセズ公式サイトの製品紹介ページ

EDN Japanでの製品説明


慣性センサというのは、加速度、回転速度、地磁気等を検知して自身の姿勢や運動を検知するためのセンサで、
以前制作したペットボトルミサイルにも搭載されています。
で、この製品の注目すべき点は価格の割にジャイロの精度が非常に高いところ。

ここでジャイロの方式について少し説明します。ジャイロには色々な方式がありますが、
よく使われるものには以下の3つがあります。

1.リングレーザージャイロ:めちゃくちゃ精度が良い。でもすごく高い。
2.光ファイバジャイロ:結構精度が良い。結構高い。
3.MEMSジャイロ:そこそこの精度。小型軽量で安い。

で、この慣性センサのジャイロはMEMSジャイロで光ファイバジャイロクラスの精度を達成したといういもの。
値段もDigi-keyでいっこだけ買った場合に15万円とまあ高いけど、光ファイバジャイロと比べればめちゃくちゃ安い。そしてMEMSらしく小型軽量なので空を飛ぶ用途にはぴったりな訳です。


とは言うものの、現状ペットボトルミサイルの慣性航法装置にそこまでの精度は必要無いので使いませんけどね。
でもこれ使って慣性航法ユニットつくるぐらいはやってみたい。

ステマとか。

そういえば、ニコニコ市場に登録されている「ミサイル技術のすべて」という本ですが、僕も持ってます。
誘導や航法から弾体の強度とかのことまで詳しく書かれており、難しいですが面白かったです。

制御とか。

では今日は制御の話をしたいと思います。

誘導は以下の3つのフェイズから成っています。
1.発射直後、姿勢を保持したまま上昇する
2.水平飛行に移行し、慣性航法装置を用いて目標へ向かう
3.赤外線センサーからの出力を元に目標へ向かう


フェイズ1では、発射した瞬間の姿勢を記憶し、この値を目標値とし、PD制御を用いて姿勢を制御します。
このとき、センサー出力値からミサイルの姿勢を推定する必要があります。
使っているセンサーは加速度、磁気、ジャイロをそれぞれ3軸で、
これらのセンサーの値をオリエンテーションフィルタと呼ばれる手法を使って統合し、姿勢の推定を行なっています。
また姿勢はクォータニオンという表現方法を使って計算し、特異点が発生しないようにしています。

発射の瞬間から一定時間経過するとフェイズ2へ移行します。
フェイズ2へ移行するまでの最適な時間は、発射時の空気圧などによって変化します。4気圧程度のときに正常に動作するようフェイズ1の時間を設定したため、5気圧以上の空気圧で発射した場合は飛距離や安定性に悪影響が出ていたようでした。
なお速度を直接計測できるセンサを搭載していなかったため、フェイズ2に進む条件を時間経過にしていますが、本来は速度が一定以下になるとフェイズ2へ移行するようにするのが理想かと思います。



フェイズ2では、フェイズ1と同様にセンサーからの値を元に現在の姿勢を推定し、目標の方向へ向くよう制御しています。
目標値はピッチ角-10°、ロール角0°、ヘディングは発射時に向いていた方角です。
尚、航空機等に搭載されている慣性航法装置では加速度センサの値を積分することにより自身の位置を計算することができますが、このミサイルでは、位置や速度は推定しておらず、方角のみを計算しています。
慣性センサから位置を推定しようとすると時間と共に誤差が蓄積するため、実用的な位置推定を行うためには非常に高精度なセンサが必要となります。
したがってこのミサイルで用いられているような軽量・安価なMEMSセンサでは難しいようです。
余談ですが、使用している加速度センサの値を積分して位置推定ができるかどうか実験してみましたが、10分程度で誤差が数10kmとなりました。

フェイズ2の状態で赤外線センサー目標からの赤外線を捉え、かつピッチが10°以下であればフェイズ3へ移行します。



最後にフェイズ3ですが、赤外線センサーからの出力が上下左右どちらも中央となるようピッチとヘディングに対してPID制御を行なっています。また、ロールに対してはフェイズ1、2と同様に慣性センサからの値を元にロール角が0°となるよう制御しています。
重力の分の補正はIパラメータでどうにかなると思い、現段階では明示的な補正は行なっていません。
ここは検証が不足している部分で、Iパラメータをしっかり調整すれば解決するのか、明示的な重力補正があった方がいいのかはまだわかりません。

フェイズ3では、目標を常に機体正面に捉えながら飛行することから、航法としては純粋航法となっています。
したがって移動目標へは対処できません。まあ出来ないってことは無いですが相当に非効率的な経路で飛ぶことになります。
次回作作るなら比例航法もやってみたいです。




以上の制御は、ピッチ、ロール、ヘディングはそれぞれ独立しており、また尾翼を動かした角度に比例してモーメントが発生すると仮定しています。
実際には全然そんなことはなく、迎え角だったりとかの要素を介した複雑な応答をするはずなのですが、それでもちゃんと誘導してくれているあたり、PID制御は素晴らしいです。

機体とか。

さて今回は機体形状です。

機体形状が現在の形になった理由は主に以下の2つを満たすように設計した結果です。

1.ミサイルらしい形にすること。
2.着弾時になるべく破損しにくくすること。

このうち、着弾時に破損しにくい形というのは更に以下のように2つに分けられます。
  2.1 着弾時の衝撃に強い形にする
  2.2 翼面荷重を小さくすることにより飛行速度を遅くする



2.1についてですが、素材をカーボン補強EPPにしたことにより非常に強くなりました。
弾頭や翼端等、着弾時に衝撃を受ける場所にはカーボンを入れず、EPPのみのクッションとなる部分を作ることが大事なようです。

また初期の頃は主翼とカナード翼を持つ形でしたが、カナードを持つ形式の場合、サーボが前寄りの位置にあり着弾時に頻繁に破損していたため後ろに移動されました。

翼はアスペクト比の大きなクリップトデルタ翼になっており、力がかかっても破損しにくくなっています。
とは言うものの、EPPとボトルの接合部がいくらか強度不足だったように思います。
やはり左右の主翼を貫くように一本カーボンが通っているべきなようです。



2.2についてですが、1.の条件とあわせ、ミサイルらしい形になる範囲で翼がなるべく大きくできるよう設計しました。




余談ですが、当初の見積りよりも重心を前に置かないとピッチ安定が取れなかったため、応急処置で重心をできる限り前に持ってきています。

VLSとか。

作成した誘導弾ですが、VLS(Vertical Launching System)と呼ばれる発射形式となっています。
VLSではミサイルはまず上向きに発射され、その後目標の方向に向きを変えて飛行します。

通常のミサイルでVLS形式とする利点と欠点はwiki等を見ていただくとして、この誘導弾でVLS形式を採用した主な理由は2つあります。

まず一つ目は効率良く水を噴射するためです。
ペットボトルロケットは空気圧で水を押し出す都合上、水平に発射しようとしても水が噴射口のところに無いため空気のみが噴射されてしまい、うまく加速できません。
一方垂直に発射した場合であれば水は噴射口のところにあるため、空気と水が一緒に噴射され、効率良く加速できます。

また2つめの理由としては、発射時のエネルギーを効率良く利用するためです。
機体の翼面荷重が小さく、空気抵抗が大きい構造になっているため、高速で飛んでいる時間が長いと早い段階で減速してしまいます。
なのでなるべく早い段階で運動エネルギーを位置エネルギーに変換してやり、その後比較的低速で滑空させることにより飛距離を伸ばしています。



今回はここまで。
次回は機体形状の説明を予定しています。
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